イランで民衆が蜂起しているようである。そしてアメリカがそれを掬い上げようとしているようである。 フランス人に依るイラン・イスラーム革命のルポルタージュで革命が横取りされて労働者政権の樹立が叶わずウラマーによる政権が出来てしまったという失望の念が述べられていた。事前にアメリカに囚われていたものを解放した時にそれを掬い上げる力を持っていたのがソ連ではなくホメイニー師たちだったというだけの話である。どれだけアナーキーな自我も既存の現実的権力関係から逃れうることは出来ない。 この世界に「アメリカ以外」があってそれを選ぶとして、精々マルクスの怨霊とその他の有象無象しか思い浮かばない。「人々」も含めて。 何かを転覆すれば、何かが存立してしまう。残念だが、どうあがいてもそうなるのだ。純粋群衆の純粋悪への勝利など、無血革命と同じ程度には非現実的ではないのか。それこそが神の忠僕の頭の中に思い浮かべられたところの「高き理念」ではないのか。歴史に目的はない。人類に正しい道はない。起こるべくして起こることが起こるだけだ。
„Gar vieles kann man loswerden, Alles wird man doch nicht los“ !!
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