あよあのたす

書き散らし

2014年10月の日記

妖怪キングダム
 事あるごとに「正当性」を振りかざす立場から、日常的に生理的嫌悪感に基づいた集団的な罵倒を繰り返されるのを見ると危機感を覚える。いずれ「不快な人間」はそれだけで悪人となりそうだ。
 一方で、ハラスメントなんか各人の心理的事情に基いて好きに認定すれば良いだろうと考えている自分がいる。
 しかし、正義を存在の根拠とする市民権という創造物はそう簡単に開き直ってはくれない。
 例えば、無意味で不自然で邪魔な行動にしか思えない私的ジンクスを侮辱・妨害したり、引きこもる人間に「関われ」だの「打ち明けろ」だのと干渉するのは当人には多大なストレスである。そういった当たり前と見なされないことへの攻撃を当人が強く問題視することは、俺は一向に構わないと思う。しかし「社会」にとっては、あらゆる主張に政治的正当性を付与するわけにもいかず、寧ろ有害なるものとそうでないものとの「分別」が彼の責務とならざるを得ない。

 私的な事柄には踏み込ませない。不快な侵犯は拒絶できる。自由人の権利。
 ドアに引っ掛ける「Don't Disturb」の札はますます便利なものになるが、使用条件が厳しい。人が心の安全を求めているのは同じであるはずなのに。
 産業や社会通念が求めていないような得体の知れない言動については、とりあえず不審とか異常と呼ぶしかない。
 表向きは、同時に「差別」が発生しないように何らかの工夫もされるのだろう。
 けれども例えばDSMの枠が際限なく広がっていったとして、それが充分な受け皿となるのかはよくわからない。結局メンタルヘルスの問題については公の場では沈黙する方が安全そうに見える。

 良識の想像力から外れたものは皆妖怪だ。厳密には誰もが、誰かにとっての妖怪にならずに生きていけないとしても、規範の重圧の下に晒されることは避け難い。
 どれだけ時代の要請で「私的であること」が重視されたとしても、断固として社会を主語としない利己的態度は忌避される運命なのかもしれない。それでも最終的に固持すべきは後者であるように思う。

 リリースされなかった歌からだが、syrup16gの「関わりたくはないがそうもいかない」は中々の名句であると思う。
2014年10月30日(木)   No.56 (雑記)

言葉を交わす
 ほんの一瞬の表情や声のトーンの変化を見逃さずにいることがあり、その点で自分は鈍いどころか過敏な方ではないかと思うことがある。しかしその一方では、自分(誰か)の言動に対する他の誰かの「当人やその周囲にとっては当然の反応」が理解できないことも多い。
 高野陽太郎の社会心理学の本には、各人は「人間全般の状況に対する基本パターン」>「個体の特性」>「集団の特性」という優先順位で行動を決定するものだという主張がある。自分は基本的にそれに納得しているが、こういう問題は何に起因するのだろうか。果たしてどう説明をつければ妥当だろうか。

 そもそも「サイン」を発して伝わらない時、必ず受け手に非があると言えるのか。
 近頃思う。人間同士の言語を介した意思疎通の困難について、多くの場合、実は単純に発話者が主語や目的語を明確にしていないことが原因じゃないのか、と。自分は心が不安定になり易いタチなので、こちら側が言い損ねていたり、聞き逃していたりするケースも多かろうと思う。
 それにしても、そんな言葉の正確さをすっ飛ばして会話が成立する場合だってある。恐らく、語彙にスラングやジャーゴンなどが存在するように、環境等に育まれる話法においても知らないうちに似たような各人特有の機能が作動しているのだろう。

 かと言って、誰に対してであれ、安易に「あいつら」を異邦人として分断していくのも怖い話だ。
2014年10月29日(水)   No.55 (雑記)

無題
マニヘブ東京当たった。心臓オーケストラがいいな。
2014年10月28日(火)   No.54 (雑記)

無題
 過去記事を見返す限り、破裂しそうな脳を処理すべくガチガチに難解な書物に逃避し没頭していたように見えるが、近頃は音楽制作に最優先事項としての意識を向けることができていて、一安心だ。

 労働であれネットから入る情報であれ、日々、余計な緊張感を逆撫でするような事ばかり。最近は、東浩紀への信用ならなさが増しているのが確からしい。彼の言動がどうにも気分を不安定にするので見ないことにしている。

 そんなこんなでうまく入眠できず、少し心を落ち着けようと思い、4コマ『ヒナ書房へ行こう』を読んでる。自分もほんの少し書店で働いていたことはあるけど、こんな雰囲気の書店が近所にあったら、贔屓にするだろか。
 本屋、客としても店員としても嫌な思い出が何かとあるが、背表紙が並んでいるのを見ると落ち着くのは変わらない。
 古書店の雰囲気はまた別腹。大手とは違った、街の隅の小さな珍古書店(口に出すと顰め面されそうなワード)が地元に沢山あったのも、今や昔。
2014年10月12日(日)   No.53 (雑記)

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言葉を交わす
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